『アーキテクチャの生態系』を再読
この本の序章でも触れられているが、よくある「情報社会論」は新しい技術が世の中を変える、インターネットはすごい、インターネットは危険など印象論であり、技術決定論的なものが多い。特にビジネスはブログ、Twitter、Facebook、youtubeなどが出てきた時に語られるが日本から出てきた2ちゃんねる、mixi、ニコニコ動画など日本独自のサービスはあまり触れられない。
そこで著者は、アメリカの憲法学者ローレンス・レッシグの「アーキテクチャ」とおいう概念を導入し、インターネットのサービスを分析する。
2章ではブログとGoogleがどのように発展したか、3章では一方でブログとは真反対と言ってもいいような2ちゃんねるを比較する。
4章では日本のmixi、アメリカのFacebookを比較しアーキテクチャの違いを論じる。
ここまでwwwもしくはTcp/Ipのプラットフォームに乗っかているコンテンツの話をシてきたが、5章ではその外側であるP2Pがいかに設計されてきたかについてアーキテクチャの観点から論じる。
6章ではアーキテクチャはどのような時間を操作してきたか、ニコニコ動画、Twitter、セカンドライフに着目をし、旧来のメディアとの時間の違いについて論じている。
7章では、ここまで話してきたプラットフォーム(サービス)に乗っかているコンテンツ(初音ミク、恋空)がどのような環境によって生み出されたかを論じる。
最終章の8章ではここまで日本とアメリカのアーキテクチャの比較を論じてきていたが、今後日本のアーキテクチャをどのように考えるかヒントを示している。
またこの本が書かれたのは2008年だが、FacebookもTwitterm扱われている。acebookは情報が少なかったためあまりよい分析とは言いがたいが、Twtiterは話は古くなっていない。
情報社会論を専攻する人には読みやすく読んでおいて損はないだろう。