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日本初『建築学部』誕生 記念連続シンポジウム 第3回:「21世紀の建築」

第3回では、現代建築を牽引する建築家、多摩美術大学客員教授・伊東豊雄氏による講演、さらに、「21世紀の建築」をテーマに伊東氏と本学建築学科教授・藤森照信、木下庸子の3名によるトークセッションを行います。伊東氏が手掛ける現在進行中のプロジェクトの話題をはじめ、世界を舞台に活躍する3名が「21世紀の建築」について、話を繰り広げます。
出演者プロフィール
伊東豊雄
建築家。多摩美術大学客員教授。
現代建築を牽引する一人。新たな建築概念のもと、さまざまな作品を発表し、近年は海外での活躍も目立つ。数々の受賞歴のほか、最近ではインテリアデザインなどもてがけ、その活躍の場は多岐にわたる。
藤森照信
建築家、建築史家。工学院大学建築学科教授。
日本建築学会論文賞ならびに作品賞受賞の経歴を持ち、専門の建築史学にとどまらず広範な内容の著作も多数発表。多くの建築作品も手掛ける一方、展覧会を開催するなど幅広い活動を行う。
木下庸子
建築家。工学院大学建築学科教授。
海外で育ち、大学・大学院ともアメリカで建築を学んだ後、設計活動に従事。戸建住宅、集合住宅、オフィスなどさまざまな作品を発表、多数の受賞歴を持つ。設計活動のほか、教育活動にも力を注ぐ。

初めに伊東豊雄氏の講演からスタート。テーマは「21世紀の建築」
21世紀の建築の最大の問題として高すぎるということがある。技術が発展し、高層ビルが立ち並ぶようになった。どうしてこのような現象が起きているかというと均質化されていると作る側が同じものを作るようにできるのでコストが安くなる。さらに伊東さんはそこの住む人も均質化しているのではないかと。建築家はこれをどのようにして崩していくのかが課題であるという。
おそらく今の日本の流れでは均質化されたとこに同じようなテナントが入ってるのではないかと思います。特に東京で駅ビルなどには無印やユニクロがどこにでもある。これからもこの流れは進んでいくだろうと考えることができる。そうするとそこに来る客はおそらく同じような行動をする、つまり均質化するんだろうなと。
この話の後、建築の内と外の話へ。建築の学問などがどのような流れがあるかはわからないが、よく聞くのは建築とは内と外(人工と自然)を分けることである。言い換えれば自然(無秩序)の中に秩序をえがき自然との差異を作ることである。最近建築のことに触れているとその境界をどのようにして崩すかということをよく聞く。伊東さんも同じようなことをされている。今回の講演でもそのようなことを話されました。
伊東さんがてがけたまつもと市民芸術館はリンク先の写真を見てもらえればわかるようにいろいろなとこに大きさの違う穴が開いている。原案だとこれはすべてガラス張りであった。ガラスというのは人間の認識としては向こう側が見えるのでまるで内と外がつながっている"ように"見える。しかし伊東さんはこれに批判的であって、そのようなことはしなかった。近くでみるとパネルがでこぼこしていてどこからが外または内なのかを規定できないようになっている。この考え方は、「TOD'S」「ミキモト銀座2」などにも繋がっている。これらに共通しているのは無秩序的であるということだろう。講演のスライドでも「TOD'S」のファサードがどのようにできたかというので建物の近くにある木からインスパイアをうけて作られていたのでやはり人工であるが自然的なものを作ろうとしているのがわかる。
この後多摩美術大学の図書館や没になってしまった計画などで話も出てきていたが、「内と外」や「内と内」の関係などがでてきてました。多摩美術大学の図書館は設計の段階から見るととても面白く、設計者がどのように意図しているのかを聞くといってみたくなりました。(誰でも入れるのかな?)
この後も「内と外」「素材(ガラス、ネジ)」などについてトークセッションが行われとても楽しいシンポジウムでした。
「内と外」についてゆーきさんが言及しているのでこれも合わせて読むといいかもしれません
建築と自然を越えて、その「あいだ」へ ー Cahier no.9 (neuf)

建築家シリーズ 「伊東豊雄」 (NA建築家シリーズ 1)

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伊東豊雄読本〈2010〉

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