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基礎情報学まとめ

基礎情報学勉強会まとめ

基礎情報学とは情報を基礎づける本である。なので入門書ではないので注意が必要です。
情報工学情報科学では扱えない「意味」について考える
また情報が解釈され、ヒトからヒトへ情報が伝達されることなどから社会を捉えていく

1、情報とは
・今までの情報とはどういうものか
わからなかったものわかるようにする何か」「知識を増やすもの」「複数の選択肢から選択結果を示すもの」「不確定状態をへらすもの」
そうすると矛盾をはらむ
つまり今までは、「加算できるもの」「外部から与えられるもの」と考えられていた。
暗黙の前提として(記号論的にいえば)「コードがきちんと定まっている」、送信者と受信者のあいだで共有されている。
informaionとは内部(in)に形成されるものである(form)ように生命体の外部にあるものではない

では情報とは
第一に、情報の「意味」の解釈にはずれがある。そして解釈者は「生物」である
第二に、生物はオートポイエンティックシステムであり刺激によって内部変容を続ける
第三に、刺激やそれによって生じる変容は物質やエネルギーではない。それは「形」であり「パターン」である

またルーマンの社会学において「意味」とは「社会の複雑性の縮減する機能」
この理論を参照しつつ情報の「意味」を捉え直す

つまりここで重要なのは、今までのシャノンなどのパケットモデルで情報を伝えるということでは説明できないことがあり、それを考えるということである。
もしパケットモデルでコミュニケーションが考えられるのであれば、単純に考えてみれば、先生の喋ったことを生徒はノイズがまわりにない限りみんな同じように内容が体内に入ってくるはずである。しかし、人によってものごとの解釈は全然違うし、それはノイズでは説明がつかないだろう。

そしてここまで情報の定義の話をしてきたが、西垣通は情報を3つに分ける
生命情報/社会情報/機械情報
生命情報とは生物が外部の刺激によって変容して作りだす情報である。この本で「原ー情報」とも言われている。そしてそれを記述したものが社会情報である。機会情報とは送信者と受信者で解釈のコードが決まっている情報である。つまり機械で処理する情報である。


2、意味解釈
基礎情報学における意味解釈の基本モデル
自信が身体を通じて原ー情報を受信する→そこから心的システムが情報を記述する。
意味解釈の出発点はパースの三項式である。
第一項=記号表現・・・記号の物理的な乗り物
第二項=対象
第三項=解釈項・・・解釈者の内部に形成される対象の模像
これらが動的であるということが重要である。イメージの連鎖と考えたらいいのかもしれない。もちろん推量に間違えが起きることもあり、それは解釈の自由度が担保されている。

3、意味伝達
今までならパケットモデルで情報というものが伝達されると考えられていたがそうではない。
ではどのようにして情報は伝達されるのか。
基礎情報学では「階層的自律システム/階層的オートポイエンティックシステム」という概念を導入する
AさんとBさんが会話をしている考える
二人の心的システムは自律システムであり、音声という刺激により心的システムが作動していてる。しかしそこで意味が共有されているとは保証されない。しかしコミュニケーションを構成素とする社会システムが作動していればあたかも共有されているように見える
社会システムという観察者からは二人は会話ロボットに見える。
つまり社会システムの下に心的システムというシステムがある。
この階層性は物質的なことではない。

今回出た疑問点
オートポイエンティックシステムは観察可能できないはずでは?だから階層性というのはおかしいのでは。
もちろんこれは新しい概念として西垣通が導入しようとしているものであるからひっかかることではある。